Windows Serverとして利用しているVPSについて、「収容先となるホストサーバーを変更するため、移行操作が必要」という案内が届きました。
対象のWindows Serverは、社内データベースを共有するためのサーバーとして使用中。複数の利用者が日常的に接続しています。<だけなら、操作そのものは難しくありません。
ただし、データベースを開いたままサーバーを停止すると、ファイルの整合性に影響する可能性があります。移行後にWindowsが起動しても、必要なサービスが停止したままでは業務を再開できません。
今回は、ホストサーバー移行を安全に進めるため、事前確認と作業の順番を整理しました。
「ホストサーバー移行準備完了」と表示された
VPSのコントロールパネルを確認すると、サーバーの状態は「ホストサーバー移行準備完了」。利用者側で移行操作を行える段階です。
さくらのVPSでは、移行期間中に利用者が任意のタイミングでホストサーバー移行を実行できます。
期間内に作業しなかった場合は、後日サービス提供側で移行が行われる予定です。その場合、停止する日時を利用者側で選べない可能性があります。
業務への影響を抑えるには、利用者が少ない時間帯を選び、自分たちで事前準備を行ってから移行する方が安心です。
移行ボタンを押す前に確認すること
今回のサーバーは、単にWindowsが動いているだけではありません。
データベースを公開するサーバーアプリ、定期バックアップ、リモート接続など、複数の機能が連動しています。
そこで、移行前に次の項目を確認しました。
- 最新のバックアップが正常に完了しているか
- データベースへ接続中の利用者がいないか
- Windows Updateが再起動待ちになっていないか
- サーバー管理者のパスワードを確認できているか
- 予備の管理者アカウントでログインできるか
- VPSのVNCコンソールを開けるか
- データベース用サービスが自動起動に設定されているか
特に重要なのがバックアップ。
VPS内部だけにバックアップを保存している場合は、可能であれば別のパソコンや外部ストレージにもコピーを残します。
移行操作によって通常はデータが消えるものではありません。それでも、サーバーを停止する作業では「万一戻せる状態」を作っておくことが基本です。
データベースを閉じてからサーバーを停止する
安全側の作業手順は、次の順番です。
- 利用者へ作業開始を案内する
- 接続中の利用者がいないことを確認する
- 最終バックアップを実行する
- 公開中のデータベースをすべて閉じる
- データベース用のWindowsサービスを停止する
- Windows Serverを正常にシャットダウンする
- VPSコントロールパネルから移行を実行する
順番が大切です。
データベースを開いたまま、いきなりWindowsサービスを停止するのは避けます。データの書き込み中だった場合、ファイルの整合性を損なう可能性があるためです。
最初に利用者の接続を止める。次にデータベースを閉じる。そのあとでサービスとWindowsを停止。
段階を分けることで、処理中のデータを残したままサーバーが切れるリスクを抑えられます。
強制停止ではなくWindowsから正常にシャットダウン
VPSのコントロールパネルには、サーバーを停止する機能があります。
ただし、Windows Serverが動作中なら、まずOS内部から通常のシャットダウンを行う方が安全です。
Windows Updateの処理中、利用者のログオン中、アプリの終了待ちなどがあると、シャットダウンに時間がかかる場合があります。
すぐに止まらないからといって、強制停止へ切り替えるのは避けたいところ。
リモートデスクトップで操作できない場合も考え、事前にVNCコンソールからWindows画面を表示できるか確認しました。
管理者パスワードの期限も確認
サーバー移行後に困るのが、「Windowsは起動したがログインできない」という状態です。
今回使用していたAdministratorアカウントを確認すると、アカウント自体は有効で期限も無期限。一方、パスワードの有効期限として表示されている日付は、すでに過ぎていました。
このAdministratorは、Windowsに標準で用意されているビルトイン管理者アカウントです。
ビルトインAdministratorには、パスワード期限切れ後もトラブル対応のためコンソールへログインできる仕様があります。
ただし、それだけに頼るのは不安が残ります。
移行後にリモートデスクトップ接続ができない、認証画面で止まる、パスワード変更を求められるといった状況も想定し、予備のローカル管理者アカウントを作成しておく方針としました。
移行直前に既存パスワードを変更しなかった理由
既存のAdministratorパスワードを新しくすれば、期限の問題は解消できます。
しかし、移行直前の変更は見送りました。
Windowsサービス、タスクスケジューラ、バックアップ、ネットワーク共有などに、現在のAdministrator情報が登録されている可能性があるためです。
不用意にパスワードを変えると、再起動後に別の処理が動かなくなることがあります。
まずは予備管理者を用意。既存アカウントのパスワード運用は、移行完了後に影響範囲を確認してから整理します。
ホストサーバー移行を実行
Windows Serverのシャットダウンと、VPSの停止状態を確認してから、コントロールパネルの「ホストサーバー移行」を実行します。
移行後に自動でサーバーを起動する設定も選べます。
今回は、移行完了を確認してから手動で起動する方針。
移行状態を一つずつ確認し、予定外のタイミングでWindowsやデータベース用サービスが立ち上がることを避けるためです。
移行前後でIPアドレスが変わる予定はありません。それでも、移行完了後の動作確認は必要です。
Windowsが起動しても、まだ作業完了ではない
移行後にWindows Serverが立ち上がっただけでは、業務を再開できるとは限りません。
必要なサービスが停止している。データベースが閉じたまま。バックアップスケジュールが動いていない。
こうした可能性があります。
起動後は、次の順番で確認します。
- VNCコンソールでWindowsの起動状態を確認
- リモートデスクトップで管理者ログイン
- データベース用サービスが起動しているか確認
- 共有するデータベースが開いているか確認
- 利用者のパソコンから接続テスト
- 検索、登録、更新などの操作テスト
- 定期バックアップの設定と実行結果を確認
- Windowsのイベントログやサーバーログを確認
「画面が開いたから大丈夫」ではなく、普段の業務操作まで試して初めて確認完了です。
Windows Server 2016の今後も検討
今回のWindows Serverは、画面上の情報からWindows Server 2016系と考えられます。
Windows Server 2016の延長サポートは、2027年1月12日に終了予定です。
ホストサーバー移行への対応とは別に、OS更新や新しいサーバー環境への移行も検討する時期に入っています。
今回正常に移行できても、古いOSを長期間そのまま使い続けることには、セキュリティと互換性のリスクがあります。
まず今回のホスト移行を安全に完了。その後、サーバーアプリの対応状況や必要な費用を確認しながら、次の環境を計画します。
サーバー作業前の確認も一緒に整理できます
アースト ITマンツーマンは、パソコンやスマートフォンの使い方を学ぶ、マンツーマン・スタイルのリモートレッスンサービスです。
画面共有を使い、VPSのコントロールパネル、Windows Serverの設定、バックアップ、サービスの起動状態、管理者アカウントなどを一緒に確認します。
「サーバー停止の案内が届いたが何を準備すればよいか分からない」「データベースを安全に停止したい」「再起動後に接続できるか不安」といった場合も、現在の環境に合わせて作業の順番を整理します。
サーバー作業は、ボタンを押す操作よりも、その前後の確認が重要です。
停止前に何を残すか。起動後に何を試すか。トラブル時にどの方法でログインするか。
事前に整理しておくことで、業務への影響を抑えながら安全に作業を進められます。


