今回のサポートは、4月からインテリアデザインの仕事を始める予定の方。
「仕事が始まる前に、必要になりそうなVectorworksの操作を覚えておきたい」というご相談です。
就職後は、すでに作成されている図面を受け取り、そこへ家具をレイアウトする仕事が多くなりそうとのことでした。これから初めて実務でCADを使うとなると、やっぱり不安ですよね。
家具を配置する仕事なら、用意されている椅子や机を図面の上に並べられれば大丈夫なのでは?
最初は私も、「2Dのシンボルを配置するくらいなら、それほど難しくないかな」と思いましたが、実際の仕事を想像しながら話していくと、そう単純でもなさそうです。

「家具を置くだけ」では済まないかもしれない
会社から渡される図面に、いつも必要な家具が全部用意されているとは限りません。
仕事によっては、指定された寸法から自分で家具を描き、それをシンボルとして登録することもあるでしょう。
さらに、受け取った図面がシートレイヤやビューポートを使って構成されていることもあります。
そう考えていくと、家具レイアウトが中心の仕事でも、結局はVectorworksの基本を一通り理解しておいた方がよさそうです。
図形の作成、移動、複製だけではなく、レイヤ、クラス、シンボル、尺度、シートレイヤ。
説明しているこちらも、「あれ、思っていたより覚えることがありますね」という話になってきました。
「そんなに覚えないといけないんですか?」
必要になりそうなことを順番に説明していると、生徒さんもちょっと心配そうな様子。
特に引っかかったのが、シートレイヤでした。
デザインレイヤで図面を描いて、シートレイヤにビューポートを配置して、そこから印刷やPDF出力をする……。
初めて聞くと、なかなか分かりにくい部分です。
「仕事が始まるまでに、そこまでできるようになるかな?」
そんな不安が出てくるのも当然です。
でも、最初から全部を完璧に覚える必要はありません。
実際に使う順番で、一つずつ覚えていけば大丈夫です。
まずは「仕事で使いそうなところ」から
今回なら、最初に必要なのは家具を配置するための基本操作です。
図面を開く。尺度を確認する。家具を移動する。複製する。寸法を確認する。
そこまでできるようになったら、次はシンボル。
さらに実際の図面を見ながら、レイヤやクラスがどう分けられているのかを確認します。
そのあとで、シートレイヤやビューポートへ。
いきなり「Vectorworksを全部覚えよう」とすると大変ですが、仕事で必要になる順に並べると、だいぶ見通しがよくなります。
既存図面を扱うなら「どこを触ってよいか」も大切
実際の仕事では、自分がゼロから作った図面より、誰かが作った図面へ手を加えることの方が多い場合もあります。
そんなときは、単に家具を置ければよいわけではありません。
どのレイヤに配置するのか。既存の図面はどこまで触ってよいのか。どのクラスを使うのか。
会社や設計事務所ごとに、図面の作り方にはルールがあります。
だからこそ、教科書どおりのサンプルだけで練習するより、実際の仕事に近いデータを見ながら確認できると理解が早くなります。
実際の仕事のデータを持ち込んでもらうことに
今回の生徒さんは、入社後に実際のデータも持ち込んでいただけそうとのこと。
それなら、かなり実践的なレッスンができそうです。
たとえば実際の図面を一緒に開いて、
- この図面はどういう構成になっているのか
- 家具はどのレイヤへ配置すればよいのか
- すでに登録されているシンボルはどこにあるのか
- 新しい家具を追加するならどう作ればよいのか
- シートレイヤは何のために使われているのか
といったところを、そのデータに合わせて確認できます。
一般的な練習問題とは違って、次の日に会社でそのまま使うかもしれない操作です。
こちらとしても、「この仕事なら、まずここを覚えておいた方がよさそうですね」と優先順位をつけられます。
入社前に全部覚えきれなくても大丈夫。
仕事が始まってから「会社でもらった図面が思っていたのと全然違いました」という場合は、その図面を見ながら続きをやればいいわけです。
家具レイアウトには、家具以外の知識も必要
もう一つ、実際の家具レイアウトではCAD操作だけ分かればよい、というわけでもありません。
机や椅子が図面上に収まっていても、人が通れなければ困ります。
椅子を引くスペースはあるか。収納の扉を開けられるか。出入口や建具と干渉しないか。
家具そのものの寸法だけでなく、実際にその場所を使うときの動きまで考えて配置します。
CADはその確認をするための道具。
「操作方法を知っている」ことと「仕事として図面を扱える」ことには、少し違いがあります。
このあたりも、実際の仕事を始めてみると疑問が次々出てくるところだと思います。
分からないところだけの相談でも大丈夫です
こういうご相談では、最初から決まったカリキュラムを全部やる必要はありません。
「来月から家具レイアウトを担当するので、そこだけ先に覚えたい」
「会社から図面を渡されたけれど、レイヤ構成が分からない」
「シートレイヤが出てきたところで急に分からなくなった」
「このデータを使って練習したい」
そんな相談で大丈夫です。
アースト ITマンツーマンでは、マンツーマンだからこそできる形で、受講される方の目的に合わせてレッスン内容を組み立てています。
たとえば今回のようなケースなら、
- 就職後の仕事内容に合わせたカスタムレッスン
- 実際に仕事で使うデータを持ち込んでのレッスン
といった進め方ができます。
現在はリモートレッスンが基本ですので、画面共有でVectorworksの画面や実際の図面を一緒に見ながら進めます。
「何を勉強すればいいのか自体が分からない」という状態でも問題ありません。
これから担当する仕事内容を聞きながら、「それなら、まずここからやってみましょう」と一緒に整理していきます。
今回の生徒さんも、最初は覚えることの多さに少し心配されていました。
でも、実際のデータを使いながら順番に進めれば、かなり仕事に直結した練習ができそうです。
入社して最初の仕事で「あ、これレッスンでやったやつだ」と思ってもらえたら、こちらとしてもうれしいですね。


