社内や家庭内LANでは、エクスプローラーの「ネットワーク」から共有PCやNASにアクセスできるのが便利ですが、WindowsのアップデートやPC入れ替えをきっかけに、今まで見えていたPCが突然一覧に出なくなることがあります。
特に、Windows 7 → Windows 10/11 への移行を挟んだ環境では起きやすい症状です。
この記事では、実際にご依頼の多いケースを前提に、原因の考え方と現実的な回避策をまとめます。
ご依頼内容(実例)
Windowsをアップグレードしたところ、エクスプローラーの「ネットワーク」に表示されていたはずのPCが一部見えなくなり、クリックしてもアクセスできないため、従来通りアクセスできる状態に戻してほしいというご依頼でした。
症状の特徴(よくあるパターン)

同じLAN内にPCが複数台あるが、ネットワーク一覧に全てが表示されていない
1台をWindows 10/11に更新した直後から、ネットワーク一覧に表示されるPCが変わってしまった
pingは通る / IP直打ちなら開けるのに、ネットワーク一覧にだけ出ないことがある
この症状は「共有が壊れた」というより、“見つけ方(探索方式)”が合っていないケースが多いです。
原因の本命:SMBv1 依存と「一覧表示(ブラウズ)」の変化
1) SMBv1が既定で無効/未導入になっている
古い共有機器(古いWindows、古いNAS、複合機など)がSMBv1前提の場合、Windows 10/11側でSMBv1が無効だと、従来の見え方・繋がり方が崩れます。
MicrosoftはSMBv1を非推奨としており、Windows 11では既定でSMBv1(クライアント/サーバー)が入らないことも明記されています。
2) “マスターブラウザ/Computer Browser”に頼る仕組みはレガシー
昔のWindowsネットワーク一覧は、SMBv1と深く関係する Computer Browser(ブラウザサービス) による“一覧配布”の影響を受けていました。
しかしこの仕組み自体が古く、安全面の理由から非推奨・縮退してきています。
3) 現在の主流は WSD(Web Services Discovery)+「ネットワーク探索」
Windows 10 バージョン1709以降では、従来のNetBIOS/SMBv1探索だけでなく、WSDやサービス連携で表示されることが増えています。Windowsのアップデート後にネットワーク一覧が以前と変わってしまった場合は、SMBv1以外の探索(WSD)と、関連サービス(Function Discovery系)の有効化がポイントになります。
まず試すべきチェック(Windows 10/11 共通)
一覧に出ないとき、いきなりSMBv1を入れる前に、まずここから確認するのが安全です。
A. ネットワークプロファイルが「プライベート」か
「パブリック」だと探索が制限され、見えなくなりやすいです。
B. 「ネットワーク探索」がオンか
エクスプローラーのネットワークを開いた時に出る“探索を有効化”の案内をオフにしていると一覧が出ません(環境により表示)。
C. Function Discovery 系サービスの設定の見直し
ネットワーク表示に関係する代表的なサービスとして、以下が挙げられます(環境によっては“手動→自動”で改善することがあります)。
Function Discovery Provider Host
Function Discovery Resource Publication
(この系統は「一覧に出ない」症状の改善策として、Microsoft Q&Aでも案内されています)
回避策(状況別に3つ)
回避策を“安全順”に並べ替えて説明します。
1) 推奨:共有側(古いPC/NAS)を更新してSMB2/3へ寄せる
今後の安全面を考慮した場合、根本的な解決が必要になります。
古いWindows(例:Windows 7)を使い続けない
NAS/複合機が古い場合はファーム更新や設定でSMB2/3対応にする
SMBv1は脆弱性の問題が大きく、Microsoftも利用を強く推奨していません。
2) 一覧にこだわらない:UNCで“手動アクセス”+ショートカット化
「ネットワーク一覧に出る/出ない」に振り回されず、「一覧は出なくても手動アクセス可能」で問題なければ\\PC名\共有名 または \\IPアドレス\共有名 で開き、ショートカットや「ネットワークドライブの割り当て」にして実用上は解決できます。
3) 最終手段:SMBv1を(限定的に)有効化する
どうしても古い共有(SMBv1)に依存せざるを得ない場合、Windows側でSMBv1クライアントを有効化するとアクセスできる場合があります。
ただしSMBv1は非推奨で、Windows 11では既定で入らない/入っていないこともあるため、導入する場合は“期間限定・対象限定・隔離(VLAN等)”が前提です。
まとめ
「ネットワークにPCが表示されない」問題は、故障というより Windowsの仕様変更(SMBv1の縮退、一覧表示の仕組み変更) が原因で起きることが多い症状です。
安全面の観点では SMBv1を安易に有効化しないことが基本ですので、まずはネットワーク探索や関連サービスの設定の見直しや、共有側の更新(SMB2/3化)を優先するのがセオリーです。
サポート内容(当社でできること)
当社 アーストPCサポート では、この種の「ネットワークに表示されない/共有に繋がらない」問題について、原因切り分けから復旧までまとめて対応します。
現状整理(構成図、PC台数、OS、NAS有無、共有方式の確認)
表示されない原因の切り分け(探索/WSD/サービス/Firewall/資格情報)
共有側(NAS/古いPC)の設定見直し(可能ならSMB2/3へ移行)
手動アクセス/ドライブ割り当てによる安定運用への変更
どうしても必要な場合のみ、SMBv1を“安全に限定して”使う提案
「ネットワーク一覧に表示される PC / NAS が以前と変わってしまった・表示されなくなった」「社内ネットワークに複合機や古いNASなども接続されており、整理が難しい」といった場合も、状況に合わせて最短ルートをご提案できますので、お気軽にご相談ください。


